Topic106 イノベーションを創出するときに、テクノロジーを起点にするのか?お客さんを起点にするのか?
書籍「デザインの次にくるもの」では、イノベーションを2つの基準で分類しています。
革新性の度合い
発生要因
革新性の度合いとは、次の2つです。
急進的なイノベーション
漸進的なイノベーション
革新性の度合いは、こんな言い方もできます。
レボリューション 革新的
エボリューション 進化
発生要因とは、次の2つです。
マーケット・プル
テクノロジー・プッシュ
とかく、イノベーションと言えば、革新的なイノベーションに目が行きやすいです。
IoT、人工頭脳、自動運転、ドローンなどなど
これらは、テクノロジーを起点にした「テクノロジー・プッシュ」に分類されます。
今どきのイノベーションはIT無しでは語れない状況です。
一方で、そればかりとも言えないです。
IDEO社やスタンフォード大学が提唱するメソッドでは、お客さんに出来るだけ接近し、そのお客さんに共感することでイノベーションを促進します。
行動観察のような手法でお客さんのありのままの実態を知ることが起点となります。
お客さんに出来るだけ接近し、そこから得られた情報をイノベーションの源泉とします。
このようなイノベーションは「マーケット・プル」に分類されます。
テクノロジー・プッシュと対照的に緩やかな、漸進的なイノベーションになりやすいです。
このようにイノベーションにはパターンがあります。
デザイン思考からイノベーションが生まれないとするのは、このようなパターンを理解していないからではないでしょうか。
書籍「バリュープロポジションデザイン」では、テクノロジー・プッシュによるアプローチが紹介されています。
お客さんの仕事、ペイン、ゲインに対応する価値提案につながるような発明、イノベーション、技術的なリソースから始めるとあります。
テクノロジー・プッシュと言ってもお客さんに出来るだけ接近するということは変わらないということです。