イノベーション創出とデザイン思考

ビジネスモデルにイノベーションを起こす

Topic 40 ガーリーテストによる持続的な競争優位性を求める方程式

ベンチャーキャピタリストであるビル・ガーリー氏が提言するガーリーテストがあります。
そのガーリーテストに持続的な競争優位性の項目があります。
持続的な競争優位性は、「顧客価値×独自性×模倣困難性」で求められるとのことです。
 
顧客価値とは、顧客にとってのメリットやベネフィットです。
独自性とは、顧客から見て異質な存在に見えるかどうかです。どれだけ尖がって見えるかです。
模倣困難性とは、競合他社のただ乗りリスクの回避です。
 
この式の顧客価値と独自性と模倣困難性は、VRIO分析のVRIに置き換えて見ることが可能です。
VRIO分析とは、経営資源の力を量るバロメーターです。
・Value(経済価値) 市場に対して経済的な価値を生み出せるのか?
・Rarity(希少性) 経営資源を保有する競争相手は少ないのか?
・Inimitability(模倣困難性) 経営資源を他の競争相手が模倣するのは困難か?
・Organization(組織の有効活用性) 経営資源を活用できる組織を保持できているのか?
 
顧客価値、独自性、模倣困難性は「人」にも依存するものでもあります。
接客の重要要素に、「目配り」「気配り」「心配り」があります。これは言うまでもなく属人的であり、相当の教育と経験がなければ高いレベルに上げることはできず、模倣は困難です。
お客さんに対して、この店ならではと独自性を感じさせ、体験価値を提供するものです。
また、製造業であれば従業員が持っているノウハウや技術は他社が真似できるものではなく、顧客価値、独自性、模倣困難性を生み出す源泉となります。
 
「人」を大切にして、育てることは企業の成長に欠かせないのです。
従業員による日々の試行錯誤が継続的なイノベーションにつながるのです。
試行錯誤こそがデザイン思考そのものとも言えます。
 
デザイン思考の根源的なところは「人間中心」「人間が起源」にあります。
ここでの「人間」とは、お客さんに限ったことではないのかも知れないのです。
 
メリットとベネフィットについては、こちらでも述べています。
http://nakanomasashi.hateblo.jp/entry/2017/08/01/083346
 
VRIO分析については、こちらでも述べています。
http://nakanomasashi.hateblo.jp/entry/2017/08/04/073328
 

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