イノベーション創出とデザイン思考

ビジネスモデルにイノベーションを起こす

Topic 38 VRIO分析は経営資源の力を量るバロメーター

経営資源は、ヒト・モノ・カネのような有形資源に、ノウハウや情報のような無形資源も加えて検討をします。
 
経営資源に対して、次にある問いかけをします。
・Value(経済価値) 市場に対して経済的な価値を生み出せるのか?
・Rarity(希少性) 経営資源を保有する競争相手は少ないのか?
・Inimitability(模倣困難性) 経営資源を他の競争相手が模倣するのは困難か?
この3つの問いかけに全て「YES」となって、優れた経営資源を保有していることになります。
 
・Value(経済価値)に対して「NO」であれば、競争劣位となります。
・Rarity(希少性)に対して「NO」であれば、競争均衡となります。
・Inimitability(模倣困難性)に対して「NO」であれば、一時的な競争優位となります。
 
次に組織に対して、問いかけをします。
Organization(組織の有効活用性) 経営資源を活用できる組織を保持できているのか?
この問いかけに対して「NO」であれば、競争力ある価値を創造できるとは言えないことになります。
 
ポイントになるのは、最後に組織に対しての問いかけがあることです。
どんなに優れた経営資源を保有していても、組織がいけてなければ、競争優位とはならないのです。
 
どんなビジネスモデルを描いたとしても、そのビジネスモデルを実行するのは組織です。
どんなアイデアでも活かせるかどうかは組織にかかっています。
組織をどうデザインするかは大切です。
そして組織を構成するのは、言うまでもなく「人」です。
ビジネスの基本は「人」にあるのです。
 
少し補足します。
VRIO分析のようなフレームワークは現状把握のチェックリストになる有効なツールです。
フレームワークはロジカルシンキングで言うところのMECE(漏れなく、だぶりなく)とするものです。
このようなツールも適宜取り入れることは、デザイン思考でも有効であり、デザイン思考とロジカルシンキングは対立軸にはないと言うことです。

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