イノベーション創出とデザイン思考

ビジネスモデルにイノベーションを起こす

Topic 50 問題と課題の違いを認識して、現在と未来の2つの視点を持って顧客ニーズを把握する

下記の2つを例にします。
・納期遅れが発生している
・短納期化をする
 
いずれも納期についてですが、この2つには大きな違いがあります。
「納期遅れが発生している」は、現在進行形のことであり明確に問題です。疑いようもなくネガティブな状況です。
一方で、「短納期化をする」は、ネガティブな状況なのかポジティブな状況なのかは、何とも言えないです。
それは状況次第です。
納期に遅れることがあり、お客さんに迷惑をかけているので短納期化をするのであれば、ネガティブな状況です。
納期の要請には応えられているが、他社に対して競争力を高めるために短納期化をするのであれば、ポジティブな状況です。
 
実はこの2つの違いはこんなところにあります。
「納期遅れが発生している」は問題であり、「短納期化をする」は課題なのです。
問題とは現在進行形で起きてしまっていることです。課題とは未来の理想像とのギャップを埋めるためのアクションなのです。
 
例えば、「料理ができない」は、問題でしょうか?
料理が出来なくとも困っていない方はたくさんいます。問題となるかどうかはその人の状況によりけりです。
「料理ができない」を問題意識として感じて何とかしたいとすれば、「料理ができるようになる」ことが課題として設定されるのです。
 
お客さん、あるいはお客さんになるかも知れない人のニーズとは、現在の状況と未来の理想像とのギャップを埋めることにあります。
従って、現在どんな状況にあるのかと未来の理想像とを理解することが必要となります。
ニーズの本質を知るには、どんな状況にあるのか、コンテキスト(context)を知らないことには話しが始まらないのです。
 
デザイン思考のプロセスは、いくつか示されているが、だいたいは同じです。
「共感」「問題定義」「創造」「プロトタイピング」「テスト」の順と捉えて頂いて大丈夫です。
ここで、問題定義とは、現在どんな状況にあるのかと未来の理想像とのギャップを見つけて、顧客ニーズを明確にすることです。
 
顧客ニーズを明確にするには、現在のコンテキスト(context)の理解、未来の理想像の理解の2つの視点が必要となるのです。
 
顧客の状況(コンテキスト)の理解についてはこちらの記事でも紹介しています。
http://nakanomasashi.hateblo.jp/entry/2017/07/17/142503

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