イノベーション創出とデザイン思考

ビジネスモデルにイノベーションを起こす

Topic85 優先するべきは顧客インサイトに対する深い理解、ソリューションありきの発想や否定からはイノベーションは生まれない

ジョブ理論が注目を集めています。
ハーバード・ビジネス・スクールの教授をされているクリステンセン氏が著した「ジョブ理論」では、こう述べています。
「顧客が何を求めているのか分かっているつもり」
「現実にはイノベーションがイチかバチかになっている」

 

顧客が求めていること、言い換えれば何とかしたい「課題」に対しての理解をしようともせず解決策の発想をしていませんか?
顧客の課題について話し合っているときに、そんな課題を出したところで解決策を何も思いつかないし、解決策を出せるわけがないと否定する発言があります。
どんなソリューションがあるのかと詰め寄っているかのようです。
ビジネスに対する発想の順序が、顧客の「課題」に対する理解ではなく、ソリューションからの発想になっています。
ソリューションありきで達成するべき課題を発想しているのです。

 

そして、イノベーションにつなげるときに必要なことは「Yes And」であって「No But」ではないです。
「でも」「でも」と相手の発言を否定して、どんな新しいことが生まれて来るのでしょうか。
本人は無意識のうちに反射的に否定しているのでしょう。
否定の裏側には、相手を受け入れようとせず、己を誇示して相手を支配しようとする心理があります。

 

JOBS(Job-Objectives-Barriers-Solutions)メソッドは、顧客の課題「Job」から始まって、解決策「Solutions」は最後にあるのです。

 

イノベーションを起こす発想には、顧客インサイトに対する深い理解と相手を受け入れるマインドが必要なのです。
「No But」ではなく「Yes And」です。

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