イノベーション創出とデザイン思考

ビジネスモデルにイノベーションを起こす

Topic111 デザイン思考は魔法の杖ではない

デザイン思考を試みたが、上手くいかないと聞きます。
何をどうして、上手くいかなかったのか話しを聞くと、目の前の改善するべきことが明確になっていたのだといいます。
その改善するべきことに対して、デザイン思考を適用したのだといいます。

 

きっと、デザイン思考を実施することが目的になっていたのでしょう。
デザイン思考は手段であって、目的ではないです。

 

デザイン思考というのは、目の前にある問題を解決するのではなく、
未知の課題の発見からスタートします。
目の前にある問題を解決したいのであれば、他の方法論を使った方が上手くいきます。
やみくもにデザイン思考を導入すれば良いというわけではないです。

 

恋人か配偶者か、自分にとって大切な人にプレゼントを贈るとしたら、何を贈りますか?

何が欲しい?と聞いて、欲しいといったものを贈りますか?
それとも、相手の立場になって、何を贈れば喜ぶかを考えて、自分なりの贈りものをしますか?

 

「これが欲しい」
「これこそが求めていたもの」
この2つの違いです。

 

デザイン思考は後者となります。
もちろん、どちらが良いというものではないです。
状況によって使い分けをすれば良いということです。

 

ビジネスをするにあたり、お客さんのことを自分ごととして捉えていますか?
他人ごとになっていませんか?

 

共感には2種類あります。
「empathize」「sympathize」です。

 

デザイン思考では「empathize」が必要だといいます。
感情移入して相手の視点になることです。
同情や憐れみとは異なります。それは、自分の視点でしかないです。

 

共感とは、
想像の中で相手の立場に身を置き、
その苦しみを自分のことのように感じること
倫理学者/経済学者アダム・スミス

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