イノベーション創出とデザイン思考

ビジネスモデルにイノベーションを起こす

Topic101 デジタルカメラがフィルムカメラの市場を駆逐した理由は何か?

デジタルカメラが登場したばかりの頃は、写真の出来栄えにおいてフィルムカメラに遠く及ばないと軽視する風潮がありました。
その後のデジタルカメラの技術の進歩で写真の解像度は飛躍的に向上しました。

 

デジタルカメラが普及したのは、写真の出来栄えによることばかりでしょうか?

 

そうではなさそうです。

 

デジタルカメラは現像、プリントと言う手間が無く、その場で楽しむことができます。
コストをかけることなく何枚でもコピーが可能です。
また、さまざまな写真アプリの登場で上質な写真を撮ることも可能です。
さらに、フェイスブックやインスタグラムのようなSNSと組み合わせて楽しむことも容易にできます。
このように写真の楽しみ方の幅を広げたのは間違いないことです。

 

要するに、そこにはフィルムカメラではあり得なかった体験価値があります。

 

かつて、現像やプリントは「普通」なことでした。
現像やプリントのために写真屋に行くことは、無駄な行為でしかないのです。
「普通」を見直すことがデザイン思考の根源的な考え方にあります。

 

デザイン思考からはイノベーションが生まれないと聞くことがあります。
それって、声を大にするような論点でしょうか?

 

そもそもイノベーションとは、「普通」を「普通でなくす」「常識外」を「常識」にすることです。

「普通」や「常識」を疑い、経験をデザインする視点が持てるかどうかを論点にするべきです。
どのようなメソッドを取り入れようとも同じことです。

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