Topic90 お客さんの表面的な言葉だけでニーズを分かった気にならない
日本マクドナルドの社長をされていた原田氏の言葉です。
「お客さんにどんな商品が欲しいかと聞くと、オーガニック、ダイエット、ローカロリーなどのメニューが並ぶが、サラダを出しても売れない。
(ハイカロリーの)大型のハンバーガーであれば若い人を中心に売れる」
人は言うことと行動が異なることが往々にしてあります。
要するにアンケート調査で直接的に何が欲しいかと問いかけても正解は返ってこないということです。
言っていることと行動が異なるというのは矛盾です。
このような矛盾のことをジレンマと言います。
人は必ずしも合理的な行動をとらないものです。
古典的な経済学には人が合理的に行動をとることが前提にありました。
ところが、その経済学では説明がつかないことが多くあります。
そこで、行動経済学という学問領域が生まれました。
ジレンマが生まれる背景には、そうせざるを得ない事情があるのかも知れません。
ジレンマを解消することにニーズが潜んでいます。
例えば、親御さんにアンケート調査をすれば、子供には体に良いモノを食べさせたいと言うでしょう。
でも、仕事が多忙で家事の時間を作れないとなれば、冷凍食品などの簡便に料理ができる手段を取らざるを得ないこともあり得ます。
正に矛盾であり、ジレンマです。
事情や背景のことをコンテキストといいます。
コンテキストを知って、その人が日常において、どんな行動をとっているのかを知ることがニーズの発見につながるのです。