イノベーション創出とデザイン思考

ビジネスモデルにイノベーションを起こす

Topic76 価格を設定するときの3つの視点、必ずしも便益を受ける人から儲けるのではない

カフェを利用するときのことを想定してみます。
カフェでは、ドリンクを飲む人が、その場でリアルタイムに代金を支払います。
極々当たり前な光景です。

 

ところが、実際のビジネスでは必ずしも、そうではないのです。

 

Googleで便益を受けている人は何かを調べる人です。
でも、その人は代金を支払ってはいないです。
Googleは広告主から代金をもらっています。
このようなビジネスモデルを三者間市場モデルといいます。
誰から儲けるかの視点です。

 

フリーミアムでは無料でサービスを提供しています。
無料で多くの人に利用してもらって、プレミアム(有料)なサービスを利用するユーザを獲得して収入を得ます。
サービスを提供しはじめてから収入を得るまでにタイムラグがあります。
会員制のサービスでは、サービスを提供する前に入会金や会費で収入を獲得します。
いつ儲けるかの視点です。

 

吉野家の牛丼は、かなりの格安です。
それは牛丼そのもので儲けることを想定していないからです。
オプションメニューで儲けているのです。
格安にすることで来店客を増やして、オプションメニューでしっかり儲けています。
何から儲けるかの視点となります。

 

誰(who)、タイミング(when)、何(what)の視点です。

 

ここで考えたいのが、やたらと格安にすれば良いのではないということです。
商材によっては高くてもさほど需要が減少しないモノもあります。
例えば、冬の季節の白菜です。白菜は鍋料理には欠かせない食材です。
このような商材をあえて安くしなくても大きな需要を見込めます。

 

価格の変動によってどの程度需要が変化するかを「需要の価格弾力性」といいます。
「需要の価格弾力性」を考慮して価格を設定することが求められます。

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