イノベーション創出とデザイン思考

ビジネスモデルにイノベーションを起こす

Topic 62 中途半端なことがお客さんを遠ざける、お客さんに対して不必要なリスクを負わせていませんか?

いつも利用しているお店のいつもの営業時間に行ったら閉店していたとしたら、どう思うでしょうか。
飲食店のオーナーにこんなことを言われる方が居られます。

 

「もうお客さんが来ないだろうと思って、店を早くに閉めることがある」

 

これは、完全にお客さんのことを無視しています。
体験価値がどうとか語る以前のことです。

 

要するにお客さんに対して、お店が閉まっているかも知れないというリスクを負わせているのです。
人気店はお客さんの期待を裏切るようなことをしないです。
リスクとは、安心できないことに言い換えても良いです。
安心して利用できることは、価値提案の基本です。
いつも揺るぎなく、いつもと同じく価値を提供することで安心して利用ができるのです。

 

営業していると思って、お店の前まで来たら、営業していない。
そんなことでがっかりとさせてしまうことを是とはしないものです。

 

値段が高いと思うのか、安いと思うかは、どんなことが判断基準になっているのでしょうか?
とてもシンプルなことです。
お客さんが感じる価値が、価格を上回っているかどうかです。

 

得したような気持ちにさせることができるかどうかが、ビジネスが成功するかどうかの分岐点です。
得したような気持ちにさせて、自社のサービスやプロダクツを使うことをクセにしてしまうのです。

 

いつもと変わりなく得した気持ちになってもらえるようなビジネスモデルになっていますでしょうか?
あるいは、目先のことに囚われていませんでしょうか?

 

筆者は喫茶室ルノアールをよく利用します。
この店は、入店してほどほどの時間が過ぎると、日本茶が提供されます。
まだまだお店に居てもらって大丈夫です、好きな時間だけ利用してくださいのサインです。
こんなことをされますとクセになってしまいます。

 

喫茶室ルノアールのドリンクは高いと聞くことがあります。
高いと思いかどうかは人ぞれぞれだとは思います。
安心して自分が利用したい時間だけ利用できて、ゆったりとした座席でパソコンを使った仕事ができるのであれば決して高くないと思っています。
なので、喫茶室ルノアールを頻繁に利用しているのです。

 

いつも利用しているサービス、よく買っているどこかのプロダクツには、価格以上の何かを感じていませんでしょうか?
価値提案とは、そのお得感を提供できるかどうかなのです。

 

岩崎邦彦氏が著した「小さな会社を強くする ブランドづくりの教科書」には、ブランドとはとんがりであると記されています。
低価格で顧客をひきつけていないこと、決してブレることなく、一貫性をもって前に進むことは、強いブランドには欠かせないことだと説いています。

喫茶室ルノアールは決して、低価格で顧客をひきつけていないです。
でも、どこの店舗も繁盛しています。
多くの人がその価格以上の何かの価値を感じていると言うことです。

 

スターバックスのとある店舗にあった告知です。
「混雑時はより多くのお客様が心地良い時間を過ごせますよう、ご相席または席の譲り合い」のご協力を頂いております。
とのことです。

 

混雑となったときは、席を譲らされて、お店から出されてしまうのでしょうか?
スターバックスのお得感を損ねていませんでしょうか?

 

筆者は、スターバックスのファンでもあります。
何年か前までは、こんな告知は見たことはないかと思います。
ドリンク、スタッフの対応、お店の雰囲気、洗練されたデザインの関連グッズもスターバックスのとんがりであることは間違いないでしょう。
サードプレイスを基本コンセプトとして、気がねなく、何時間でもゆっくりできることもスターバックスのとんがりではなかったかと思うのです。
サードプレイスからブレてしまっていると思うことがしばしばです。

 

喫茶室ルノアールでは決して、こんなブレブレはあり得ないですね。少なくとも今のところは。
こんな一貫した‪姿勢がお客さんに安心を感じてもらい、ブランド力を高めているのです。‬

 

売上高=客数×客単価

 

ビジネスモデルを発想するときの極めて基本的な式です。
その客数や客単価を確保するために何をしますでしょうか?何をしないのでしょうか?

 

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安全と安心の観点から消費者の行動について述べています。こちら是非とも、ご参照ください。

nakanomasashi.hateblo.jp