イノベーション創出とデザイン思考

ビジネスモデルにイノベーションを起こす

Topic 34 安全と安心の大きな違い、消費者は必ずしも論理的な思考や合理的な判断で買い物をしない

「安全で安心な商品を提供します」と、近所のお店で店内放送しています。
 
「安全」と「安心」は、似ているようで、実のところは大きな違いがあります。
「安全」とは客観的な事実に基づくものです。
厳しい法規制や社内検査をクリアしていることやトレーサビリティの提示は客観的な事実です。
一方で、「安心」は、主観的です。
いくら安全であると客観的な事実を示したところで、安心できないときは安心できないのです。
要するに、事実がどうであろうが何となく安心できないと感じることで、安全とされていたとしても念のために購買しないのです。
安心かどうかは、言い換えればリスクを感じるかどうかです。リスクを感じるようなサービスやプロダクツをあえて購買する必要はないでしょう。
 
「安全」であることは、サービスやプロダクツを提供する側の責任において実施されるものです。
「安心」は消費者が感じるものです。「安心」を感じてもらえないと消費者から見放されてしまうのです。
 
「安心」を感じてもらうには、顧客に対する共感(Empathize)から顧客インサイトを理解し、安心してもらうための行為が必要となります。
「安心」は提供するものではなく、感じてもらうものなのです。
 
なお、外部環境の出来事により「安全」なサービスやプロダクツを提供できなくなることがあるのは付け加えておきます。

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