イノベーション創出とデザイン思考

ビジネスモデルにイノベーションを起こす

Topic 7 果てしない人の欲望

狩野モデルによる顧客満足度の変化についてです。
狩野モデルでは、提供する価値を3通りに分類して顧客満足度を評価します。
 
・Must have 必須 
・Linear 線形
・Exciter 魅力的、刺激的 
 
「Must have 必須」これがなければ、話しにならないようなことです。あれば当たり前と評価され、不十分であれば不満を感じさせます。
「Linear 線形」あればあるほど、長ければ長いほど、広ければ広いほどに嬉しいことです。待ち時間のように短いほどに顧客満足度が上昇するようなこともあります。
「Exciter 魅力的、刺激的」無いからといって不満を感じさせることはない、あるいは仕方ないと受け取る価値です。あれば、顧客満足度を著しく上昇させます。
 
「Must have 必須」は何を差し置いても最優先に取り組むべきことです。かといって、一定以上充実させたところで顧客満足度はそれほど大きくならないです。
次に「Linear 線形」を可能な限り充実させます。「Must have 必須」は過剰にならないようにして、「Linear 線形」に力を入れるべきです。
「Exciter 魅力的、刺激的」の優先順位はいちばん低くて良く、余力があれば実施するようなことです。
 
ですが、昨今のようにモノやサービスがあふれた世の中では、魅力的であったり、刺激的な体験価値を提供しないことには、なかなか顧客満足を得られない現実もあります。
さらにやっかいなことに、月日の経過と共に人の満足度は狩野モデルのグラフの上から下に移動するのです。
今は、「Exciter 魅力的、刺激的」に分類されるような価値提案であっても、やがては「Must have 必須」となり、あって当たり前になる性質があるのです。
人の欲望は正しく果てしないのです。
 
どんな新しい体験価値を提供するのか?
そのためにもEmpathize(共感)を通じて、絶え間ない潜在的な欲望の気づきが必要となるのです。

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